4度のF1ワールドチャンピオンに輝いたセバスチャン・ベッテルは、マクラーレンのランド・ノリスの公的な自己批判は称賛すべきものだと考えている。
バーレーンGPでノリスは予選6番手から追い上げ3位となった一方、チームメイトのオスカー・ピアストリはポールトゥウィン。ランキングでもノリスに3ポイント差まで迫った。
そしてマシンのパフォーマンスを引き出せず、その挙動に適応するのに苦労したことを受けて、ノリスは自己批判を展開した。
ここ数年、ノリスはどんな失敗も公にしてきた。彼はそれが自分の精神的なアプローチの一部だと説明したが、その自罰的な態度は多くの批判を浴びてきた。
しかし2022年限りで現役を引退した4度のF1王者、セバスチャン・ベッテルはノリスのオープンな性格がロールモデルのひとつになっていると語った。
「僕たちは普通の人間なんだから、ポジティブな展開だと思う」とベッテルはロイターに語った。
「みんなと同じように、我々も普通の問題を抱えている。ヒロイズムもいいけれど、自分の問題や弱さを話すこともヒロイズムの一部なんだ。私は、それを見たり、目撃したりすることは素晴らしいことだと思う」
「それが弱さの表れだとは思わない。一部の人たちからは批判されるかもしれないけれど、広い視野で見れば、それは進歩でしかないんだ」
レッドブル時代にチームメイトであるマーク・ウェーバーとの緊張関係に耐えたベッテルは、マクラーレンとそのチーム代表であるアンドレア・ステラが現在のドライバー間の緊張関係をうまく管理できるようになると信じている。
ベッテルは、ノリスとピアストリのライバル関係が、自身が初めてタイトル争いを繰り広げたときのウェーバーとの関係のように熱を帯びたものになるかどうか疑っているのだ。
「当然、人々は常にエンターテインメントを求めているし、それはスポーツの一部だからいいんだけど、あのふたりが本当に激しく、荒々しいパートナーシップを築くとは思えないね」とベッテルは言う。
「彼らはうまくやっていけると思うし、アンドレアも彼らをうまく管理できる立場にある」
「今のライバル関係は違うんだ。僕たちはお互いに敬意を払っていたし、この世代もお互いに敬意を払っている。でも彼らはそこから進歩して、コース上で起きていることとコース外で起きていることを区別して、僕たちよりもうまく管理していると思うんだ」