雨のアルバート・パーク・サーキットで開催されたF1開幕戦オーストラリアGP。レーシングブルズの角田裕毅は好位置を走りながらも、ピット戦略で後手に回り入賞を逃した。しかし角田は自身の走りには満足しているとして、ミスから学びたいと語った。
オーストラリアGPの週末を通してレーシングブルズは好調で、予選では角田がウイリアムズのアレクサンダー・アルボンやフェラーリ勢などを上回る5番手を獲得。そのチームメイトで新人のアイザック・ハジャーもQ2まで進出し11番手と、2台揃っての入賞にも期待が高まった。
しかし予選日から変わって決勝日は雨。ウェットコンディションでの経験が少ないハジャーはスタート前のフォーメーションラップでクラッシュを喫してしまった。
残り1台となった角田は孤軍奮闘。スタートでフェラーリのシャルル・ルクレールには先行を許したものの、混乱を避けてペースを掴むと6番手を安定して走行し、コースが急速に乾いていったレース中盤のセーフティカー出動時にはピットへ戻りスリックタイヤへと交換した。
トップを走っていたマクラーレン勢を含めハードタイヤを選ぶドライバーが多い中、角田はうっすらと濡れた路面でもグリップで優れるミディアムタイヤを履き、レース再開後にはルクレールをターン11でオーバーテイクし5番手に浮上した。
角田にとって、ここまでは完璧なレース展開となったが、レース終盤に再び雨が降り注いだことで、状況は一変した。チームは雨が一時的なモノで、雨量も少ないと踏み、角田をステイアウトさせるも雨脚は強まる一方……生き残ったドライバーの中では最後までピットインを遅らせたことで、角田はコース上で順位を落とし、大きなタイムロスを強いられることとなった。
角田は泣く泣く47周目にピットへ戻りインターミディエイトへ履き替えたが、同様の戦略を採ったフェラーリ2台の後ろ11番手まで後退。最終的に12位でのフィニッシュとなった。
「今回はピットインのタイミングが上手くいきませんでした。タイミングが遅すぎて、セーフティカーの後11番手までいきなり落ちてしまいました」
角田はレースをそう振り返った一方、レース中のパフォーマンス自体は満足できるモノだったとして、今回のミスからチーム全体として学ぶ必要があると続けた。
「ペースはありましたし、最後の雨まではミスも少なかったです。自分にできることをやりましたし、自分のパフォーマンスには満足しています。何が起きたのかを必ず見直して、そこから今後に向けて学んでいくつもりです」
「僕らは同じミスをしないようにする必要があります。特に今年は各チームとも実力が拮抗しているので、1ポイント1ポイントが非常に重要になります。理想的とは言えませんが、今回の週末には多くのポジティブな点もありました」
「ペースはありましたし、パフォーマンスを最大限に発揮できれば良いレース週末を過ごすことができるんです。このような調子を続けて、強くなって戻ってきます」