レーシングブルズのアイザック・ハジャーは、F1開幕戦オーストラリアGP決勝を11番グリッドからスタートするはずだったが、フォーメーションラップでのクラッシュにより、スタートすることもできずにデビュー戦がリタイアに終わった。
決勝日のメルボルンは気まぐれな雨模様。終日ウエットコンディションで、レース中も各車がようやくスリックタイヤに履き替えることができたかと思えば、強い雨が降り出す難しいコンディションだった。
ルーキーの中で最上位となる11番グリッドからフォーメーションラップに走り出したハジャーは、タイヤを温めようと急加速したターン2で挙動を乱しスピン。マシンの側面からウォールに激突してリヤウイングにダメージを負い、まさかのリタイアとなってしまった。
レーシングブルズは予選で印象的なパフォーマンスを見せたが、予選5番手だった角田は戦略がハマらず12位に終わるなど、チーム全体としても雨に翻弄される形となった。
クラッシュ後、メディアの取材に応じたハジャーは次のように語った。
「ただ恥ずかしく、チームに申し訳ない」
「(ホイールスピンを)やりすぎたんだと思う。リヤを滑らせすぎて、クルマのコントロールを失ってから、なんとか立て直そうとしたんだけど、ただ助手席に座っているような感じだった。スナップしてからとても早かった」
マシンから降りたハジャーは、感情を抑えきれずにヘルメットのバイザーを開けて目頭を抑えている様子を見せた。肩を落としてパドックに戻った彼を慰めたのは、ルイス・ハミルトンの父親であるアンソニー・ハミルトンだった。
彼から慰めを受けたことについて、ハジャーは「彼が、僕がどういう状態なのかを知っていたということは、とても意味のあることなんだ」と付け加えた。
「僕がどんなに嫌な思いをしていたか……最悪の瞬間に会いに来てくれた。本当に感謝している」
「顔を上げて、自分自身を証明する必要がある。昨日はうまくいった。ただ自分に怒っているよ。ミスをしたけど、ミスは起きるものだ。シーズン序盤にマシンを壊してしまったことは本当に心が痛む。チームには本当に申し訳ない」
「もっと多くの経験を積まなければならない。初めてのグランプリで、ウェット路面を走れなかった。今すぐにでもドライブしたかったよ」
次戦は1週間後の中国GP。ハジャーは今すぐにでも走りたいと語った。
「上海に行くのをとても楽しみにしている。スピードはあると思うから、サーキットを走るのが待ちきれないよ」