(オープン戦、阪神6ー0DeNA、7日、甲子園)オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(59)がDeNA・東克樹投手(29)から本塁打と左前打を放った阪神・前川右京外野手(21)に言及した。
あくまでも「現状」の前川を論評するなら、攻めるところがない打者になっている。昨年に比べてグリップの位置をやや高くした感じで、自身のゾーンを高くして、低めのボール球にあまり手を出さない。元々低めならボール気味でも手を出す打者がストライクゾーンを確実に捉えている印象だ。
本塁打はその典型的な打撃だったし、2打席目の三回無死一、二塁からの左前打でも、すごさが伝わった。連続四球で相手投手は引っ張らせたくないから外角中心の配球に。強引に引っ張るのではなく逆方向へ強い打球を打ち返せる。バットがさばけているのだ。
球界屈指の左腕を打ったことは自信になるだろうし、今は投手の左右は関係ない。私も数多くの強打者と対戦したが、「現状」の前川は本塁打でなければOKという配球になるだろう。シーズンでは今まで以上の厳しい内角攻めがあるかもしれない。今季の前川はそう苦労しないのではないか。何番でも任せられる打撃をしている。