【サウジC】フォーエバーヤングが世界一! 史上初のサウジC&ドバイWC連勝へ—伝説は始まったばかり

【サウジC】フォーエバーヤングが世界一! 史上初のサウジC&ドバイWC連勝へ—伝説は始まったばかり

<サウジC>◇22日=キングアブドゥルアジーズ◇G1◇ダート1800メートル◇北半球産4歳上・南半球産3歳上◇出走14頭◇1着賞金1000万ドル(約15億5000万円)

永遠に輝く歴史的勝利-。フォーエバーヤング(牡4、矢作)が世界最高賞金レースを制し、価値ある海外G1初制覇を遂げた。香港の強豪ロマンチックウォリアー(せん7、C・シャム)に競り勝ち、約15億5000万円を獲得した。坂井瑠星騎手(27=矢作)も待望の海外G1初勝利。矢作芳人調教師(63)は23年パンサラッサに続く2勝目。師弟タッグが、「ウマ娘」で知られるサイバーエージェント藤田晋社長の所有馬で世界の頂点に立った。

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歓声がこだまする最後の直線、フォーエバーヤングと坂井騎手の目にはロマンチックウォリアーの姿だけが目に映った。1歩ずつ、確実に。芝G1・10勝という香港の絶対王者との差を詰める。ゴールまで50メートルを切り、横に並ぶ。「彼を信じていたので、負けると思った瞬間はなかった」。坂井騎手の信頼に応え、首差で強敵をねじ伏せてみせた。

師匠とともに世界を飛び回る鞍上にとってうれしい海外G1初制覇。「考えられる中で一番理想的なレースができた。間違いなく人生で最高の瞬間になりました」。力強いガッツポーズで喜びをあらわした。

矢作師にとっては2年前のパンサラッサに続く2勝目。6回目を迎えたサウジCで初の複数勝利トレーナーとなった。「最後の直線は馬を信じるしかなかったが、これで前の馬をかわすことができたなら映画よりもすてきだなと思った。私が手がけた馬の中でも最高の馬だと確信した。2回目でもこれほど感激するものだなと自分でもびっくりするくらいうれしい」。名伯楽も興奮と感動を隠せなかった。

厩舎の育成術で素質に磨きをかけてきた。昨年から取り入れた縦列調教。世界トップのエイダン・オブライエン厩舎も行っている手法により、砂や泥が顔に当たる「キックバック」を嫌がらなくなった。スタートも上達し、ちょうど1年前のサウジダービー以来となるメンコなしでレースへ。楽にポジションを取り、そこから粘り強い末脚を繰り出す。勝利のパターンが固まってきた。

世界最高の1着賞金15億円超を獲得し、日本馬歴代獲得賞金ランク3位に浮上。この後は4月5日メイダンのドバイワールドC(G1、ダート2000メートル)に進む。「ドバイワールドカップとサウジカップの両方を制した馬がいないので、それをなんとか成し遂げたい」と矢作師。史上初のサウジC→ドバイWC連勝なら、夢の総獲得賞金30億円超えが実現する。誰もたどり着いていない金字塔へ。伝説は始まったばかりだ。

◆フォーエバーヤング ▽父 リアルスティール▽母 フォエヴァーダーリング(コングラツ)▽牡4▽馬主 藤田晋▽調教師 矢作芳人(栗東)▽生産者 ノーザンファーム▽戦績 10戦8勝▽総獲得賞金 21億9350万6600円▽主な勝ち鞍 23年全日本2歳優駿(Jpn1)、24年UAEダービー(G2)ジャパンダートクラシック(Jpn1)、東京大賞典(G1)▽馬名の意味 曲名より

◆日本馬の歴代獲得賞金ランク フォーエバーヤングはサウジCの1着賞金を加えて、21億9350万6600円となった。アーモンドアイの19億1526万3900円を抜いて歴代3位に浮上。同1位はウシュバテソーロで、今回のサウジC3着賞金を加えると25億6362万5300円。2位はイクイノックスで22億1544万6100円。(※JRA発表前の暫定記録。今年のJRA固定換算レートは1ドル=157・0245円)。

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