国立大卒力士の先駆け、高砂部屋から、今度は千葉大卒業見込みの力士がデビューする。千葉大文学部4年の京田力丸(22)が、春場所(3月9日初日、エディオンアリーナ大阪)の新弟子検査を受検、合格すれば前相撲で初土俵を踏むことが21日、分かった。取材に応じた京田は「初めて自発的になりたいと思った将来像が力士。不安だらけだけど頑張りたい」と力説した。3月1日に大阪市内で行われる新弟子検査の直前に、部屋に合流予定だ。
入門希望の電話をかけたのは、今月5日だった。その2日後、東京・墨田区の部屋を初訪問。大関経験者の朝乃山ら兄弟子に「京田力丸です」と、あいさつすると「リキマル!?」と、まず名前で驚かれた。国立大と聞いてさらに驚かれた。
出身の大阪星光学院高の偏差値は「75」で、大阪府内トップとされる。1浪で入学した千葉大は相撲部がなく、東大相撲部に個人的に通って稽古を積んだ。大相撲は高校時代に何げなく見たテレビ中継で興味を持ち「就職が決まったら流されそうで」と就職活動はせず力士の道に絞っていた。
高砂部屋を選んだ理由は「立地。東京も地方場所も会場に近い。部屋の雰囲気など不確かな情報よりも、確実な情報なので」という現実派だ。小学5年で始めた柔道は黒帯。184センチ、123キロの立派な体格だ。高砂部屋は琉球大卒の一ノ矢が、史上初の国立大出身力士として83年初土俵。部屋として42年ぶり2人目の国立大卒力士が誕生する。
◆京田力丸(きょうだ・りきまる)2002年(平14)3月26日、大阪市生まれ。小学5年から始め、大阪星光学院高1年まで続けた柔道は黒帯。テレビ中継で大相撲に興味を持つ。千葉大文学部には学科はなく、専門は言語学。卒論のテーマは「韓国語の漢字語」。家族は両親と妹。184センチ、123キロ。