14日に33歳で死去した序二段力士、若戸桜の澤田剛(さわだ・つよし)さんの通夜が22日、茨城県龍ケ崎市の葬儀場で営まれ、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)らが参列した。
澤田さんの師匠、式秀親方(元幕内北桜)は、死因となった「外陰部壊死(えし)性筋膜炎」の恐ろしさを訴えた。
澤田さんは痔(じ)が持病だったため、10日の稽古では「剛、痛かったら無理するな。休んでいいぞ」と声をかけたが、「頑張ります」と言って稽古を続けたという。しかし、11日には稽古を休んで病院へ向かった。すると、同日中に緊急手術を受けた。
医師からは3日もてば快方に向かうと伝えられたが、14日に死去。式秀親方は「稽古して体力があったから3日耐えられたと(医師から)言われました。剛がこの病気の怖さを身をもって教えてくれた」と話した。
澤田さんが亡くなった後に豪雨があり、雨が上がると部屋の玄関先から虹が出たという。「番付社会ですが、最後に関取が着る羽織はかまを着せてやりました。老人ホームに行っても小学校や幼稚園に行っても、歌ったり、踊ってみたり、本当に陽気だった。先輩からも弟弟子からも突っ込まれるような愛されキャラでした」と故人をしのんだ。
◆外陰部壊死(えし)性筋膜炎 陰部や肛門などの周囲に急速に炎症が起きる感染症。治療が遅れると、患部に壊疽(えそ)が起きるため、早めの発見、治療が必要になる。適切な治療が遅れると、症状が急速に進行し、数日で死に至る可能性が高い。