石川県出身の十両力士、輝(かがやき、30=高田川)が結婚することが16日、分かった。お相手は、同じ石川県出身の会社員、折戸智恵(ともえ)さん(29)。輝の誕生日の6月1日ごろに婚姻届を提出し、同14日に挙式を予定している。
共通の知人を通じて知り合い、交際約2年。結婚に至るきっかけは、2024年元日に発生した能登半島地震を通じて知った相手のやさしさだった。
地震は、輝の姉家族(夫と子供3人)が、七尾市の実家に帰省していた時に起きた。姉家族が住む珠洲市は被害が大きく、姉家族の家は津波の影響で住めなくなった。すると智恵さんが、小松市の自身の実家に避難することを勧めてくれた。
輝の姉家族と父の計6人は、智恵さんの実家で世話になった。父は数日で離れたが、姉家族は約20日間、面倒をみてもらったという。輝は「助けてもらって、人のやさしさを感じました。(智恵さんの家族も)みんないい人。結婚したい理由があるのでなく、結婚しない理由がないんです」と心境を口にした。
智恵さんはもともと相撲に詳しいわけではなかった。「一緒にいる時の空気感が石川にいる時に近いものがあり、安心感があります。その空気感がすごく好きです」と輝。現在は十両だが、本来は幕内上位を目指さなくてはいけない存在。「結婚するからには、1人ではなくなるので、もっと頑張らないと」と意気込んでいる。師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)は、結婚を認めつつ「もっと自覚を持たないといけない」とコメントした。
◆輝大士(かがやき・たいし)本名・達綾哉(たつ・りょうや)。1994年(平6)6月1日、石川県七尾市生まれ。小1から相撲を始める。中3時に全国都道府県中学生選手権の個人、団体2冠。高田川部屋に入門し、2010年春場所初土俵。14年九州場所で新十両に昇進し、しこ名を本名から「輝」に改名。地元石川県まで延伸する北陸新幹線「かがやき」にちなんだ。16年初場所新入幕。最高位は東前頭3枚目。家族は父、姉、兄。横綱輪島は遠縁にあたる。192センチ、172キロ。得意は突き押し。血液型O