海外F1記者の視点|バーレーンGP完勝。ピアストリは今季チャンピオンの最有力候補なのか?

海外F1記者の視点|バーレーンGP完勝。ピアストリは今季チャンピオンの最有力候補なのか?

もしかしたら、我々全員間違っていたのかもしれない。

今シーズンのF1でチャンピオン最有力候補は、マクラーレンのランド・ノリスであると予想していた。しかし実際には、マクラーレンのもう一方のドライバー、オスカー・ピアストリの方を最有力候補として選ぶべきだったのかもしれない。

ノリスは理に適った選択肢であるように見えた。2024年シーズンのノリスは、4年連続チャンピオンに輝いたマックス・フェルスタッペンに最も肉薄した。特にシーズン後半の力強さは素晴らしく、精神力も身につけたように見えた。

最終戦アブダビGPでも2台のフェラーリを抑え、マクラーレンのコンストラクターズタイトル決定に貢献した。これも、チャンピオンを獲るに相応しい能力であるように見えた。

今季の開幕戦オーストラリアGPでも、突然強まった雨に翻弄されるシーンもあったが、耐え抜いて見事に勝利を収めた。一方でこの開幕戦でピアストリは強まった雨に足を取られてコースオフし、大きく順位を落とした。

しかしその開幕戦を除けば、ピアストリは実に堅実な走りを見せている。後続に15秒の大差をつけて勝ったバーレーンGPのパフォーマンスは特に印象的。なんと言ってもここバーレーンは、マクラーレンがこれまで一度も勝ったことのないサーキットだったのだ。

2004年に初開催されたバーレーンでは、マクラーレンは未勝利だっただけでなく、リードラップを走ったのも僅か8周だけだった。それも2007年に当時ルーキーだったルイス・ハミルトンによって記録されたものだ。

ピアストリはバーレーンで、優勝、ポールポジション、そしてファステストラップを獲得するいわゆる”ハットトリック”を達成。また、30戦連続入賞という素晴らしい記録も達成した。しかしその輝かしい記録は、現時点ではおそらく相応しい賞賛を受けていないだろう。

付け加えるならば、今回のバーレーンGPは、ピアストリにとってF1デビュー50戦目であった。その中での成熟度は、まさに素晴らしいのひと言だ。

対照的にチームメイトのノリスはバーレーンで苦戦し、3位でフィニッシュするのが精一杯だった。ただ心配なのは、ノリスがレース後に残したコメントだ。

「今の自分のマシンのフィーリングでは、何かを達成できているなんて驚きなんだ。快適ではないし、満足もできていない。フィーリングも良くない。こんな結果が出せているなんて……本当に驚きだ。何かがうまくいっていないと思う」

ノリスは自身のドライビングに自信を失っているようで、これ以外にも不安を訴えるコメントが最近は多くなっている。ノリスにとっては、今がまさにタイトル獲得に向けて、特に不安な時期なのであろう。

もちろん、これだけで全てが決まるわけではない。しかし現在の状況を見ればピアストリ優勢……そう見えるが、結末は一体どうなるだろうか?

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