豊昇龍、靖国神社で2度の土俵入り 「けがをしないように支えてください」と自身の再起を〝祈願〟

豊昇龍、靖国神社で2度の土俵入り 「けがをしないように支えてください」と自身の再起を〝祈願〟

拝殿前の石畳で横綱土俵入りを披露する豊昇龍(中)。太刀持ちは平戸海(左)、露払いは明生

靖国神社奉納大相撲(14日、東京・千代田区、靖国神社相撲場)横綱豊昇龍(25)が1日2度の横綱土俵入りを披露し、自身の再起を〝祈願〟した。この日は取組前に行われる通常の土俵での土俵入りに加え、中門鳥居先にある拝殿前の石畳で太刀持ちに幕内平戸海、露払いに明生を従え、雲竜型の土俵入りも行った。この土俵入りは今年が戦後80年の節目となることから靖国神社の要請を受けて実施され、明治2年からはじまった同神社の奉納大相撲の歴史に刻まれた。

葉桜に残る花びらが、風に舞う拝殿前。参拝客らを前に、豊昇龍が靖国神社で初めて横綱土俵入りを披露した。拝殿前での土俵入りは平成31年4月、同神社創立150年を記念して横綱白鵬、鶴竜が行って以来。戦後70年だった平成27年も白鵬と日馬富士の両横綱が披露しているが、1日2度の土俵入りは珍しい。

豊昇龍は神社での土俵入りでは「けがをしないように支えてください、という思いで。そう願ってやっている。(神様は)願いをきいてくれると思う」。新横綱場所だった3月の春場所は右肘関節などを負傷して無念の途中休場。今巡業中も合間を縫って病院でリハビリを継続しており、切実な願いを込めた。

靖国神社には公開用の屋外相撲場が常設され、学生相撲の大会も催される。豊昇龍も千葉・日体大柏高在学中、観戦によく足を運んだという。大正6年11月に東京・旧両国国技館が火災で消失した際、7年春と夏、8年春と夏の計4場所の本場所も開催された。この相撲場では叔父の元横綱朝青龍も土俵入りを行っている。豊昇龍は「歴代の横綱たちが土俵入りをやったところ。そこでやることができてうれしい」。どうか、神のご加護があらんことを。(奥村展也)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次