MotoGP第4戦カタールGPの決勝レースは、ドゥカティのマルク・マルケスが勝利。ポールポジション、スプリント勝利と合わせ、完璧なレースウィークとなった。
マルケスはカタールGPについて今季のライバルであるチームメイトのフランチェスコ・バニャイヤ、そしてアレックス・マルケス(グレシーニ)の方が優位な今季初のコースだと事前に語っていた。
しかしポールポジションを獲得し、スプリントレースも制したマルケスは決勝でも高いレースマネジメント力を発揮。終盤にマーベリック・ビニャーレス(テック3)を抜いて今季3勝目を挙げ、タイトル争いのリードを広げることに成功した。
「今週末全体を通じて、本能よりも頭脳に頼っていたんだ」
カタールGPを終えたマルケスは、DAZNにそう語った。
「特にこのサーキットは本能で走るのが難しいんだ。週末を通じてライディングを変化させていった。特に高速の右コーナーは、僕にとってちょっとした難所なんだ」
マルケスは1周目のターン1~2でフランコ・モルビデリ(VR46)にオーバーテイクされていたが、それ以上にレース中盤にバニャイヤによって抜かれてしまった時のほうが、スイッチの入る瞬間だったという。
「昨日はチャンスがあると自信を持っていたけど、同時に疑念もあったんだ。だからこそ、序盤はマネジメントしていた」
「フロントタイヤは10周しかハードにプッシュできないと分かっていたからね。スタートではモルビデリが飛び出していったけど、彼のことは捕まえられると思っていた。ただペッコが僕を抜いていったその時に、僕はレースが始まったと実感したんだ。そして最終的にはマーベリックを抜いて、最後のアタックをかけるためにプッシュしていった」
そしてマルケスはレース序盤にモルビデリに前に出られたが、むしろそれによってタイヤを温存することができたとすら語っている。
「スタートダッシュには興味がなかったんだ。アレックスとのターン1の接触で、モルビデリには付け入る隙を与えたけど、心配していなかった」
「集団を後ろに引き連れたままスローペースを維持していくことに関心があったんだ。リヤタイヤが消耗して滑り始めると、僕は快適さを感じられるんだ。そして、フロントタイヤをより労る余裕も少しできたからね」
マルケスは前戦アメリカズGPで、トップを走行中に転倒するというミスを犯してしまった。今回のカタールGPはその失敗を埋め合わせる必要があったが、ここ一番で集中力を発揮できたという。
「常に上手く行くわけじゃないけど、凄く厳しい時ほど、集中力が増すようだ」
「オースティンでの失敗を、カタールで素晴らしいレースをして埋め合わせる必要があった。ここはアレックスとペッコが確実に僕を攻めてくるだろうコースだったけど、上手くディフェンスすることができたね」