大相撲春場所10日目(18日、エディオンアリーナ大阪)5日目から6連勝の尊富士(25)が湘南乃海(26)を押し出し2敗を堅持。再入幕から3場所続けて10日目に勝ち越しを決め、優勝争い常連の実力者となった。「勝ち越しを目指しているわけではない。これから」と話す表情に貫禄が漂った。
NHKでテレビ解説を務めた琴風浩一氏(67)=元大関=は「尊富士のいいように取られましたね。右の前みつも速かったですね。取ったと思ったらどんどん前に出てますし、最後はまわしを離して胸を突くというね。尊富士にとったら理想的な満点の相撲じゃないですか」と評価していた。
琴風氏は現役時代、佐渡ケ嶽部屋に所属し、膝の大けがを乗り越え、がぶり寄りを得意として優勝2度を果たした。引退後は尾車部屋を創設し、豪風と嘉風の両関脇らを育成。日本相撲協会理事を5期10年務め、事業部長や巡業部長など要職を担った。