大相撲春場所10日目(18日、エディオンアリーナ大阪)平幕高安(35)が大関大の里(24)との1敗対決を寄り切りで制し、単独首位に立った。
大の里の当たりに後退するが、前傾姿勢を崩さずに耐えた。相手の脇が空いたところを逃さず、左を差して下手をつかむ。頭をつけ、右上手で振ってきた大関を一気に寄り切った。
1敗の高安を2敗で大の里と平幕の尊富士(25)、美ノ海(31)が追う。NHKでテレビ解説を務めた琴風浩一氏(67)=元大関=は「きょうの大一番が13日目ぐらいだとね、もう高安で決まりだろと言いたいところなんですけどまだ5日あるんですよ。下から勝ち進んできている手ごわい相手もまだまだいますからね。高安としては険しい道だけれども、一つ大きな山は乗り越えたといえるんじゃないですかね」と強調していた。
琴風氏は現役時代、佐渡ケ嶽部屋に所属し、膝の大けがを乗り越え、がぶり寄りを得意として優勝2度を果たした。引退後は尾車部屋を創設し、豪風と嘉風の両関脇らを育成。日本相撲協会理事を5期10年務め、事業部長や巡業部長など要職を担った。