MotoGP開幕戦タイGPではホンダが2024年よりも改善した姿を見せたが、LCRのヨハン・ザルコは慎重な姿勢を崩していない。
ホンダはプレシーズンテストを好調に過ごし、苦しんだ昨年から進歩している兆しを示した。実際、開幕戦タイGPでは改善が結果で示され、ザルコはホンダでの自己ベストとなる7位を獲得。ファクトリーのジョアン・ミルも転倒するまでは7番手を走行していた。
2024年は苦戦したザルコだが、開幕戦での結果は「とても良かった」と認めた。しかし同時に、ホンダの改善具合を過大に評価するようなこともなかった。
ザルコは2025年シーズンにライダーの移籍が増えたことで、チャンピオンシップの主役級のライダーが別マシンへの適応が必要となっていて本来の水準にないこと、さらにドゥカティ陣営が台数を減らしたことが、ホンダにとって有利に働いていると指摘した。
「ポジションはトップ10へ上げられたけど、僕はここにドゥカティが少なくなったことが要因にあると思っている。僕らにかなり有利に働いている」
Canal+に対してザルコはそう語った。
「そして、今は苦戦してしまっているライダーも見受けられている。KTM勢とかね。この結果は、ホンダが素晴らしい進歩を遂げたからというだけではない。僕らにもまだ問題はあるんだ」
「でもドゥカティより一歩遅れているけれど、少なくともレースではより楽しめるようになったね」
「繰り返しになるけど、チャンピオンシップに変化があって、それが僕らの順位をいくつか上げることにも繋がっているんだ」
「昨年、僕達はアプリリアやKTMと争うのは不可能だった。でも(開幕戦では)フェルミン・アルデゲル(グレシーニ)もファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)も後ろにいて、ドゥカティとすら戦えた。これは良いことだよ」
なおザルコはホンダでの2年目になり、さらにマシンの感覚を掴みつつある。それがパフォーマンスの向上にも繋がっていると語った。
「このバイクへの理解が深まったおかげで、自分の期待していた位置、トップ10で争えるようになったと思う。チームとして互いのことを理解できているし、バイク同様に進歩しているんだ」
「バイクの扱いも上手くなっていると思う。僕は自分のライディングを常に改善しようとしているんだ。フロントタイヤを上手く感じ取って、よりバンクを深くしようとしている。そうやって乗れれば、エネルギーを浪費せずにより一貫性を高められると思う。それでものすごく速くなるわけではないけど、より上手くやれることはあるんだ」