2024-25シーズンのバルセロナ、栄光か、それとも無冠か？
バルセロナは昨シーズン、国内外の主要タイトルを一つも獲得できず、悔しい「無冠」シーズンを送った。しかし、2024-25シーズンはどうなるのか？
最悪のシナリオとしては、再び主要タイトルを逃し、二年連続の「四大皆無」となる可能性がある。
しかし、最良のシナリオは「リーガ・エスパニョーラ」「UEFAチャンピオンズリーグ」「コパ・デル・レイ」の三冠王（トレブル）達成である。
バルセロナはクラブ史上2度三冠を達成しており、特に2008-09シーズンのグアルディオラ時代には「六冠（全冠王）」という前人未到の偉業を達成した。なお、バイエルン・ミュンヘンも2度の三冠を誇り、2020年にはフリック監督のもとで全冠王に輝いている。
現在、バルセロナはリーガ・エスパニョーラで首位をキープし、国王杯準決勝の第1戦ではアトレティコ・マドリードと4-4の激戦を繰り広げた。さらに、チャンピオンズリーグ（CL）のベスト16ではベンフィカと対戦予定であり、理論上は今シーズン「三冠王」の可能性を十分に秘めている。
ベンフィカ戦—バルサにとっては悪くない組み合わせ
バルセロナのCLベスト16の対戦相手はポルトガルの強豪ベンフィカ。フリック監督率いるバルセロナにとって、比較的良いドローといえるだろう。
試合情報
対戦カード：ベンフィカ vs. バルセロナ
大会：UEFAチャンピオンズリーグ ベスト16・第1戦
キックオフ：2024年3月6日 04:00（日本時間）
試合会場：エスタディオ・ダ・ルス（ポルトガル・リスボン）
ベンフィカの歴史と「呪い」
ベンフィカはポルトガル国内で38回のリーグ優勝を誇る名門。さらに、1960-61シーズンと1961-62シーズンには欧州王者（UEFAチャンピオンズカップ時代）に輝いた。
しかし、ベンフィカには有名な「グットマンの呪い」がある。 1962年、2年連続で欧州制覇を果たした当時の監督ベーラ・グットマンは、クラブに報酬アップを要求したが拒否され、これに激怒。クラブを去る際に「このクラブは100年間、欧州のタイトルを獲得できないだろう」と呪いをかけたとされている。
以降、ベンフィカは5度のCL決勝、3度のEL決勝に進出するも、いずれも敗退。現在、この呪いは63年間も続いている。
ベンフィカとバルセロナの現状
リーグ戦の状況
現在のポルトガルリーグ（プリメイラ・リーガ）では、ベンフィカは23試合を終え、17勝2分4敗の成績で勝ち点53。首位スポルティングCPとは3ポイント差の2位につけており、まだ逆転優勝のチャンスを残している。
一方、バルセロナは26試合を終えて18勝3分5敗、勝ち点57でリーガ・エスパニョーラの首位に立っている。しかし、2位アトレティコ・マドリードとは1ポイント差、3位レアル・マドリードとは3ポイント差と、依然として僅差の争いが続いている。
欧州大会での成績
ベンフィカ：グループステージでは8戦4勝1分3敗（勝ち点13）で16位通過。その後、プレーオフでモナコをアウェー1-0、ホーム3-3の合計スコア4-3で破り、決勝トーナメント進出。
バルセロナ：グループステージは8戦6勝1分1敗（勝ち点19）で2位通過。
また、両チームの過去の欧州CLでの対戦成績を振り返ると、直近7試合ではバルセロナが3勝3分1敗と優勢。さらに、今シーズンのグループリーグではバルセロナがベンフィカをアウェーで5-4で破っている。
直近10試合の成績（各大会合計）
ベンフィカ：7勝1分2敗
バルセロナ：8勝2分（無敗）
試合の見どころ
バルセロナはこの試合に、レヴァンドフスキ、ヤマル、ペドリら主力が揃って遠征しており、ほぼベストメンバーで挑める状況だ。一方、ベンフィカはディ・マリアと中盤のフロレンティーノ・ルイスが欠場予定であり、戦力的に不安要素を抱えている。
また、バルセロナにとってこの試合の結果は、今後のシーズンを占う上でも重要となる。なぜなら、CLベスト16の2試合を終えると、リーガ・エスパニョーラ第28節ではアトレティコ・マドリードとのアウェー戦、さらにコパ・デル・レイ準決勝第2戦（アトレティコ戦）が控えている。この2試合は、リーグ優勝とカップ戦決勝進出に大きく影響するため、バルセロナはベンフィカ戦を確実に勝利し、勢いをつけたいところだ。
バルセロナが有利、勝利の可能性が高い
過去の対戦成績、現在のチーム状況、そして戦力の充実度を考慮すると、バルセロナがこの試合で優位に立っているのは明らかだ。ベンフィカのホームとはいえ、フリック監督率いるバルセロナが、まずは敵地で確実に勝利を収める可能性が高い。
果たしてバルセロナは三冠王への道を進めるのか、それとも再び無冠に終わるのか——。今シーズンの行方を左右する大一番が、いよいよ始まる。
