3月4日、レアル・ベティスのCEOであるラモン・アラルコン氏が、スペインのテレビ番組「El Pelotazo」(Canal Sur)に出演し、現在マンチェスター・ユナイテッドからレンタル移籍中のアントニーの去就について語った。アラルコン氏によると、アントニーはすでに「来シーズンもベティスでプレーしたい」という意向をクラブに伝えており、スペインでのレンタル生活が充実していることを強調したという。

アントニーは今年1月の冬の移籍市場でマンチェスター・ユナイテッドからレアル・ベティスへレンタル移籍。加入後、7試合で3ゴール2アシストを記録し、チームの攻撃陣の中心選手として躍動。先週末のレアル・マドリード戦(2-1の勝利)でも活躍し、欧州カップ戦出場権獲得を目指すベティスに大きく貢献している。

アントニー自身も新天地での生活に満足しているようだ。アラルコン氏は「彼は先日、直接私に『もう1年ここにいたい』と話してくれた。クラブの環境や施設に驚き、とても満足している様子だった」と語っており、スペインでのプレー継続を強く望んでいることがうかがえる。

しかし、アントニーの去就はまだ不透明だ。ベティスとユナイテッドのレンタル契約には買取オプションが含まれておらず、現在もユナイテッドがアントニーの給与の84%を負担している状態にある。そのため、ベティスが完全移籍で獲得するには、マンチェスター・ユナイテッドとの交渉が不可欠だ。
一方、アントニーにはユベントスやサウジアラビアの2クラブも関心を示していると『Stretty News』が報じている。
ベティスは2000万〜2500万ユーロ(約32億〜40億円)程度の移籍金を提示する可能性があるが、ユナイテッド側は4000万〜5000万ユーロ(約64億〜80億円)を求めていると言われており、この価格差が今後の交渉の鍵となるだろう。
アントニーは2023年3月以降、ブラジル代表に招集されていないが、ベティスでの活躍が続けば再び代表入りの可能性も出てくる。2026年W杯を視野に入れれば、レギュラーとして継続的にプレーできる環境を選ぶことが最優先事項となる。

現在、ベティス側はできる限りの条件で完全移籍を実現したい考えだが、ユナイテッドの要求する移籍金を満額支払うのは厳しい状況。このまま交渉が難航すれば、ユベントスやサウジアラビアのクラブがより有利な立場になる可能性もある。
果たしてアントニーは来季もベティスのユニフォームを着ることになるのか——。今後の交渉の行方に注目が集まる。