ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは、MotoGP開幕戦タイGPでスプリント、レースともに3位でフィニッシュした。
バニャイヤにとって、チャーン・インターナショナル・サーキットは味方にならなかったようだ。プレシーズンテストでも開幕戦でも、マルケス兄弟、特にチームメイトのマルク・マルケスの優れたペースに対抗できる武器を持っていなかったのだ。
タイヤのオーバーヒートに苦しんだバニャイヤは、「僕は全力を尽くしたよ。オーバーテイクを試みるためにアレックス(マルケス/グレシーニ)に近づくこともできなかった」と説明した。
また、レースを優勝したマルク・マルケスについて、本来なら大差で勝利していただろうとバニャイヤは語った。
レース中、首位を快走していたマルケスは後方を確認してあえてペースを落とし、アレックス・マルケスに首位を譲った。これは低くなりすぎていたフロントタイヤの内圧を戻し、ペナルティを避けるためだったと彼は説明している。
この動きについて、バニャイヤは「マルクはレース中ずっと僕らを翻弄していた」と語った。
「2位が目標だったけど、3位に終わった。彼はペースを遅くし、サーキットの一部でタイムを落としていた」
「マルクが望めば、5秒以上の差をつけて勝っていたはずだ。彼はアレックスの1秒以上前にいた。それから彼をパスさせて、その後ろで遊んでいたんだ。そして残り2周となったところで、彼はフィニッシュを決めたんだ」

アレックス・マルケスがレースをリードしていた20周の間、バニャイヤはマルク・マルケスに近づこうとし、一時は3台がひとかたまりになるかと思われた。
しかしマルク・マルケスが再び首位に立ったあとも、バニャイヤはアレックス・マルケスに攻撃を仕掛けることができずにレースを終えた。
「マルクとコンマ3秒以内まで近づいたこともあった。でもマルクの方がずっと速かったし、彼にとっては簡単に抜き返すことができただろう。僕はアレックスより少しペースが良かったけど、近づくたびにまたタイムを失ってしまった」
「(オーバーテイクして)引き離す必要があったけど、タイヤのこともあって難しかった。アレックスとマルクは僕よりもいい仕事をしていた。おそらく彼らはテストを通してずっと良いセットアップと良いフィーリングだったのだろう」
「僕たちも改善したけど、でも期待していたほどではなかった。もっと良い結果、少なくとももっとマルクに近づきたかった。次はアルゼンチンに向かうけど、あそこは僕にとっても彼にとっても得意なサーキットというわけではない」
「でも今季重要なのは、ここまでやってきたように、速く走れなくてポイントを獲るのが難しいサーキットでも、できるだけ前でレースを終えることだ」
「週末のスタートからマシンの調子を上げていきたい。ここでは、土曜朝のFP2からしかその仕事ができていない。金曜日は変更を加えたり、いろいろ試していたんだ。それは理想的なことではないけれど、今回のような難しい週末で3位フィニッシュは悪くない」
「何を改善できるか理解する必要がある。マシンは(昨年の)GP24と非常によく似ているけど、僕にはなにかが足りないから、それがなぜかを調べる必要がある」