バーレーンでスタートした2025年のF1公式プレシーズンテスト。初日午後のセッションは、マクラーレンのランド・ノリスがトップタイムをマークした。
現地時間15時からのセッションは、気温15度、路面温度23度というコンディションでスタート。テスト初日ということもあって、全チームが午前と午後でドライバーを交代した他、マシンのセットアップを変更したり、空力測定用のリグを搭載するなどの作業を行なうチームも多く、静かなセッション開始となった。
開始から20分が過ぎ、最初にコースインしたのはレーシングブルズのアイザック・ハジャー。ハースに移籍したエステバン・オコンもそれに続き、徐々にコース上の台数が増えていった。
午前中に記録されたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)のトップタイムに最初に迫ったのは、ディフェンディングチャンピオンのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。セッション開始から40分ほどのところで、C2タイヤを使い1分31秒444を刻むと、その後にはピエール・ガスリー(アルピーヌ)がそれを0.001秒上回った。
ハジャーは、挙動を乱しスピンするシーンもあったがウォールに接触することはなく、そのまま走行を継続した。
サーキットの周囲で雨雲が発生し降雨も懸念されたが、幸いすぐにコンディションが悪化することはなく、フェラーリのシャルル・ルクレールがセッション折り返しを前に1分30秒878をマークした。
しかしセッション後半に入ってすぐ、サーキットの一部が停電に見舞われるというまさかのトラブルが発生。ピットが真っ暗になってしまったチームもあり、赤旗中断を余儀なくされた。
ピットの電力は比較的早く戻ったものの中断の間に日が落ち、投光照明なしでの走行は不可能。一部エリアの照明復旧に時間がかかったことで、セッション中断は1時間以上に及んだ。
残り時間50分でセッション再開されたが、残り30分というところでセッションの1時間延長が発表された。このタイミングで新品C3タイヤを履いたノリスが1分30秒430を叩き出し、他を突き放した。
ノリスはマシンのセットアップ変更のためか、セッション前半はガレージで過ごす時間が長く、セッション折り返し間際までノータイムだった。ただ最初のタイム計測ですんなり3番手につけ、その後首位に浮上。今季もマクラーレンが優勝を争う、そんな予感を感じさせた。
セッション残り1時間を切ると、フェルスタッペンやジョージ・ラッセル(メルセデス)がアタックして自己ベストを更新するが、ノリスのタイムには届かず。その後はロングランを行なうマシンも多く、タイムシートに大きな変動はなかった。
最終的にセッションのトップタイムはノリス。2番手のラッセルに0.157秒の差をつけた。
ディフェンディングチャンピオンのフェルスタッペンは3番手。セッション前半にタイムを出しにいった際、2度にわたって挙動を乱してアタックを中断せざるを得ないシーンも見受けられた。
4番手ルクレール、5番手のカルロス・サインツJr.(ウイリアムズ)、6番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ)までが、午前のトップだったアントネッリを上回った。
レーシングブルズのハジャーは初日総合11番手。午前中に走行を担当し総合10番手となった角田裕毅との差は0.021秒だった。
ハースは午前と同様ロングランに集中的に取り組み、オコンがセッション最多88周を走り19番手となった。