日本の競馬界に“イクイノックス級”のスーパーホースが爆誕だ。フォーエバーヤング(牡4・矢作)がサウジアラビアで現地時間22日に行われたサウジカップ(ダ1800メートル)に快勝。深夜の日本列島が歓喜に包まれた。
香港の英雄・ロマンチックウォリアーとの激しい一騎打ちとなった劇的なレース内容。さらには世界最高額となる15億円超の1着賞金をゲットしたこともあり、今後の日本の、いや世界の競馬界は同馬を中心に回っていきそうな盛り上がりを予感させている。
そんな高揚感は、近年でいえば「世界最強」の二つ名で、GⅠを勝ちまくったイクイノックスが記憶に新しいが、そのイクイノックスは2023年のジャパンCを勝ち、総獲得賞金1位(22億1544万6100円)に躍り出た直後に4歳で現役を引退。惜しまれつつも種牡馬入りとなった。
しかし、フォーエバーヤングはそんなイクイノックスの総獲得賞金を、4歳春で抜き去ろうとしている。サウジCで総賞金を21億9350万2000円とした同馬が、次走で予定しているのは4月5日のドバイワールドカップ。同レースの1着賞金は10億9289万520円で、ここも制することができれば総賞金は32億8639万2520円にハネ上がる。
現在の歴代トップはサウジCで3着に入ったウシュバテソーロ(25億6361万6400円)で、ウシュバは昨年のドバイワールドカップ2着の時点でイクイノックスを抜いてトップに立っているが、すでに8歳馬。4歳馬のフォーエバーヤングがいったいどこまで稼ぐのか、末恐ろしいぐらいだ。
フォーエバーヤングを管理する矢作調教師はサウジCの戦前、こう語っていた。
「サウジCとドバイワールドCの両方を勝った馬はまだいません。パンサラッサもドバイでは負けてしまったので、今回はそれを成し遂げたいですね」
中東ダブル制覇となれば、芝とダートの違いこそあれ、あのスーパーホース・イクイノックスに続く「世界最強」の称号が、フォーエバーヤングにつくのは間違いのないところ。今年の春は、日本の競馬界にとってまさに“歴史的なシーズン”となりそうだ。=JRA未発表の賞金レート換算は推定=