フェラーリの新車SF-25は、空力開発に重点を置いて大幅にアップデートされているが、チームはすでに2026年のルール変更を見据えている。
フェラーリは合同ローンチイベント『F1 75』で2025年の新車SF-25のカラーリングを発表した後すぐに、フィオラノ・サーキットでシェイクダウンを実施。ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールがステアリングを握った。
SF-25の見た目は昨年マシンSF-24と根本的に異なるわけではないが、大きなアップデートが施されている。
ただ、チーム代表のフレデリック・バスールがシーズンを通してSF-25をどれだけ積極的に開発していくかに目を光らせており、今後のアップデートは未知数。そしてエンジニアたちがいつ2026年の大幅なレギュレーション変更に向けた準備に本格的にシフトするのかは、SF-25が勝てるポジションにつけられるかどうかにかかっている。
SF-24からSF-25への主要なアップデートは、フロントサスペンションがプッシュロッドからプルロッドへ変更されていることだ。だがテクニカルディレクターのロイック・セラによれば、それは「氷山の一角」にすぎないという。

「クルマの大部分は新しくなっている。外からみただけでは必ずしも目立たないが、最も大きな影響を与えるのはそういうパーツだ」
そうセラは『Automoto.it』に説明した。
「内部コンポーネントの多くを変更したが、哲学は同じだ」
セラが説明するように、昨年のSF-24にはもう改良の余地がなかったという。サスペンションの変更とフロアの刷新は、マクラーレンやレッドブルと戦える伸びしろをチームに与えるはずだ。
「SF-25の主なターゲットは、空力開発とシーズン後半に行なわれるアップデートでプッシュする余地を見つけることだった」とセラは説明する。
「テクニカルレギュレーションが最終年を迎えているため、今年のマシンではディテールがすべてなんだ」
フェラーリは昨年、シーズン中盤のアップデートがうまくいかず、パフォーマンス低下に苦しんだ。そこから挽回したフェラーリはコンストラクターズランキングで、マックス・フェルスタッペンが”1馬力”でポイントを稼いでいたレッドブルを抜き、マクラーレンまで14ポイント差まで迫った。
セラは昨年の平均タイム差を100分の3秒だと計算しており、SF-25により2008年以来となるコンストラクターズタイトルを獲得できると期待している。
もちろん、2026年に大きなレギュレーション変更が迫っており、バスール代表もチームとしてより大きな目標に集中する必要があることを認識している。彼はすでに、SF-25の開発作業をいつ来年のマシン開発にスイッチする必要があるかを考えている。
「シーズンのある時点で、2026年プロジェクトと2025年マシンの開発のどちらかを選択しなければならない。チャンピオンシップの順位によって決まる選択だ」
「最初の4、5レース後に状況を評価し、利用可能なリソースをどのように配分するか選択することになる。おそらく夏には2026年に集中することになるだろう」
もしフェラーリがコンストラクターズタイトル争いの真っ只中にいたとしたら、バスール代表の決断はより難しくなるだろう。
「私は昨年のように4チームが勝利を争い、タイトルを狙えるような状況になると予想している。良い戦いになるだろう」