WRラムやLBパーソンズの指名時と同じく、獲得可能な選手の中で最高の選手を指名する方針に満足するカウボーイズ

WRラムやLBパーソンズの指名時と同じく、獲得可能な選手の中で最高の選手を指名する方針に満足するカウボーイズ

ダラス・カウボーイズはNFLドラフトの1巡目で、トップクラスの選手が自分たちの番まで残っていたという経験を何度もしている。

カウボーイズはその好機を逃さず、チームの要となるような逸材を次々と指名してきた。

2020年から2022年にかけて、カウボーイズは全体12位より上で指名することなく、ワイドレシーバー(WR)シーディー・ラム、ラインバッカー(LB)マイカ・パーソンズ、オフェンシブタックル(OT)タイラー・スミスを獲得。この3人は合わせて10回のプロボウル選出を果たしている。

2021年にパーソンズを指名して以来、初めてドラフト全体12位で指名を行うカウボーイズは、これまで通り必要性と才能を天秤にかけて考えるはずだが、今回もまた試合の流れを変えられるような選手が残っていれば、見逃すつもりはないようだ。

現地22日(火)、カウボーイズのスティーブン・ジョーンズ執行副社長はドラフト前記者会見で「つまり、あのドラフト――マイカのドラフト――に臨むにあたって、自分たちがパスラッシャー兼ラインバッカーであるマイカを選ぶとは思っていなかった」と振り返っている。

「シーディーを選んだ年は、ずっとパスラッシャーを狙っていたのに、結局はレシーバーを指名した。そういうことをすると、素晴らしいことが起こるのだ」

カウボーイズには補強すべきポジションが多数あり、ワイドレシーバー、ランニングバック(RB)、コーナーバック(CB)がその例として挙げられる。多くの人々はカウボーイズがワイドレシーバーを指名すると予想しており、その候補となっているのはテキサス大学のマシュー・ゴールデンやアリゾナ大学のテタイロア・マクミランだ。『NFL Network(NFLネットワーク)』のジェーン・スレイターは、ゴールデン、テネシー大学のディフェンシブエンド(DE)ジェームズ・ピアースJr.、ミシシッピ大学のディフェンシブタックル(DT)ウォルター・ノーレンをカウボーイズが注目すべき選手として挙げている。

評価が十分に高ければ、どのポジションも対象となるようだ。クオーターバック(QB)も例外ではない。昨シーズンにダック・プレスコットが巨額の延長契約にサインし、ジョー・ミルトン三世をトレードで獲得したにもかかわらず、だ。スレイターから、高く評価しているクオーターバックが残っていた場合はどうするのかと質問されたジョーンズは、指名する可能性を明確には否定しなかった。つまり、カウボーイズが1巡目でクオーターバックを指名する可能性は低いものの、ジョーンズの才能と選手層に対する考え方は明確だ。

オーナーのジェリー・ジョーンズは「私たちはダックと巨額の契約を結んでいる」と述べ、こう続けている。

「だからこそ、あらゆることを考慮するのだ。しかし、この話につけ加えたいのは、“この選手を獲得した、手に入れたし契約も結んだ”と言う人がよくいることだ。でも、どうだろうか? 選手はケガをするものだ。つまり、全財産をかけて確保したつもりが、突然、その選手がいなくなることだってある。そのときこそ、昔の経験が頭をよぎって“もしあの選手が負傷したら、今年はどうするんだ?”という考えが浮かぶ。そういうことだ」

「そういうことなんだが、誤解しないでほしい。私が言いたいのは、“彼をゲットしたから、そこはもう必要ない”と言うのではなく、状況を判断しなければならないということだ。選手が負傷する可能性を想定しなければならない。そして、その選手は候補に挙げていた選手と比べてどれほど重要か、必要性を満たすことができるのかを考えるんだ。私は実際にそうしている。選手層が充実している場合、選手がケガをしても、それだけのことだ。今、そこが手薄になっていて、必要が生じているのなら、それは別の問題だ」

ジョーンズオーナーの発言はとりとめがなく、理解しづらい部分もあるが、どのポジションの補強が必要だったとしても、優秀な選手を逃すつもりがないという点だけは明確だ。

「マイカ・パーソンズがあの順位まで落ちてくるなんて、まったく想定していなかったが、そういうことは実際に起こるのだ。私たちが戦略やトレードアップ、またはトレードダウンのために、優秀な選手をみすみす逃すようなことは決してない」とジョーンズオーナーは話している。

カウボーイズは2020年にラムを全体17位で、2021年にパーソンズを全体12位で、2022年にスミスを全体24位で指名した。しかし、その後の結果は芳しくなく、2023年ドラフト全体26位で指名したDTマジー・スミスと2024年ドラフト全体29位で指名したオフェンシブタックル(OT)タイラー・ガイトンはいずれも発展途上にある。『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス/PFF)』によると、ガイトンの新人時代の総合評価は49.4だという。一方のスミスは2シーズンで合計2サックにとどまり、昨季のPFF評価は34.8だった。

ドラフトの評価はカウボーイズにとって最も重要であり、1巡目で誰を選ぶかを決める際の根拠にもなる。言い換えれば、ポジションのニーズよりも才能が優先されるということだ。

「先日、ちょうどその話をしていた。選手たちの評価に忠実でいれば、良いことが起こるということだ」とスティーブン・ジョーンズは語り、「なぜなら、このリーグでは選手の入れ替わりが激しく、若手選手を迎え入れたら、ある選手を維持するよりも、資金を他の選手に回すことができ、それによってチームをより良くしていけるからだ」と続けた。

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