琴桜(右)は合口のよさを生かせず隆の勝に押し出された(撮影・榎本雅弘)
大相撲春場所5日目(13日、エディオンアリーナ大阪)琴桜は合口のいい隆の勝が相手だけに、負けられないという気持ちが強すぎたようだ。立ち合いは押し込んだものの、つかまえにいくのか押していくのか中途半端で、バタバタしているうちに押し出された。前日の若隆景戦で見せた本来のドシッとした強さから一変してしまった。
綱とりに失敗した上、初めてのかど番のプレッシャーで、もやもやした気持ちで土俵に上がっているのかもしれない。精神面が不安定に見えるのが気がかりだ。序盤5日間で黒星先行は今後の相手を思うと厳しいが、番付を気にせず、がむしゃらに攻める相撲に徹すれば道は開けてくるだろう。(元大関武双山)