アルピーヌF1チームは、開幕戦オーストラリアGPに先駆け、映画『デッドプール』にインスパイアされたプロモーションビデオをSNSで公開した。
このマーベルとのクロスオーバーは、アルピーヌがハリウッドスターであるライアン・レイノルズから投資を受けていることから、実現したものだ。
『デッドプール』や『ブレイド』、『グリーン・ランタン』などに出演していることで知られるカナダ人俳優のレイノルズは、自身のマーケティング会社であるマキシマム・エフォート・インベストメンツを通じて、2023年にアルピーヌに投資した。彼は、オトロ・キャピタルとレッドバード・キャピタル・パートナーズとともに、2億ユーロ(約319億円)でチームの株式24%を取得しているのだ。
レイノルズは2021年にも、俳優仲間のロブ・マケルヘニーと共同で買収したウェールズのサッカークラブ、レクサムに驚異的な露出をもたらしている。今回の動画は、そんなレイノルズの影響力を示しており、アルピーヌが新しい若い顧客・ファンを獲得する上で大きく役立つかもしれない。
PVには2025年のドライバー、ピエール・ガスリーとジャック・ドゥーハンが出演。デッドプール2のオープニングテーマ、セリーヌ・ディオンの『Ashes』がかかり、どことなくそれっぽい演出の中で炎に包まれてひざまずくドライバーの姿から動画が始まる。
カメラがパンすると、「Alpine Formula One Team presents」の文字がスクリーンに映し出され、ドライバーは立ち上がる。次のカットでは、昔ながらのジェームズ・ボンド風としか言いようのないF1マシンのエフェクトでドゥーハンの顔を強調。「午前2時にパニックになって書かれた脚本」というキャプションが付け加えられている。
予想以上にファンやメディアの注目を集めているガスリーとドゥーハンのお揃いの坊主頭を揶揄して、「2台の同じレーシングカー、2人の同じ髪型」というキャプションも入っている他、『ライアン・レイノルズをこよなく愛するZ世代のソーシャルメディア・インターンがプロデュースしました』という言い訳も完備されている。
ガスリーがスローモーションでビルから落ちたり、ドゥーハンが椅子の上でポーズをとったりと、それっぽいシーンも入ったこのPV。ファンはアルピーヌの新しいアプローチを気に入っていると言っていいだろう。
PV製作の舞台裏を公開するようチームに促すファンもいれば、また別のファンは「傑作だ」と評価した。
レイノルズ自身も、自身のインスタグラムのストーリーに 「今年はAshes(灰)を蹴散らそう」というキャプションを添えてビデオをシェアした。