ハースのエステバン・オコンは、今季から共に働く小松礼雄代表の献身的な姿勢を称賛。特にその実践的なアプローチと、チーム運営への深い関与を褒め讃えた。
オコンが小松代表と働くのは、今年が初めてではない。10年近く前、オコンがロータスで初のF1テストに挑んだ際、そのマシンのエンジニアだったのが後の小松代表であったのだ。そして小松代表は、ハースがオコンを迎え入れる上で、重要な役割を果たしたとされる。
オコンは小松代表との再会について、チームの仕事のあらゆる側面に深く関わっていることに感銘を受けたと語る。
「イエスと言うべきだろうね。今、彼が担っている役割を考えるとね。もちろん、いい意味でだよ」
バーレーンでのテストの際に実施したmotorsport.comの独占インタビューで、小松代表がロータス時代と変わったと思うかと尋ねられたオコンはそう語った。
「夜の10時半に、チーム代表がマシンの始動に立ち会うのなんて見たことがない。そして、ただ見守っているだけなんだ」
「全員の息が合っているか、マシンが正常に動いているか、パーツに隙間がないかなどを、ただ見ているだけなんだ。彼は、マシンを動かす時には必ずガレージにいる」
「それから、さっき聞いていたんだけど、オリー(オリバー・ベアマン)がターン2で少しスナップしたのを見て、アヤオはすぐにパフォーマンスエンジニアに無線を飛ばし、『なぜホイールスピンした? 何が起きたんだ? 突風? それともタイヤの温度? あるいは内圧?』と尋ねていた」
「彼はとても熱心だし、見ていてとても素晴らしい。もちろん彼は競争心が強い。僕らもみんな、高い競争心を持っているけど、彼がそこまで熱心なことは、チームの他のメンバーにも方向性を指し示している。正直言って、彼がとても熱心で、このチームで何か大きなモノを作り上げたいと思っているのを見るのは、素晴らしいことだ」
「このチームに加入した時に彼と初めて話をして以来、僕はさらに感銘を受けた。以前から思っていたことを裏付けてくれたわけだけど、それ以上に感銘を受けたんだ」
昨年アルピーヌを去ることが決まったオコンを獲得する上で、小松代表が交渉を主導したのだとオコンは明かす。
「とても簡単な交渉だった」
小松代表との交渉について、オコンはそう語った。
「グウェン(ラグルー)が、交渉の多くを行なった。でも僕は、アヤオと技術的な部分の交渉の多くを行なった。彼が言ってくれたことは全て有効で、守られている」
「その時点で、とても素晴らしいことがあった。契約が締結された後に持ち上がった、これまであまり話してこなかったことについてだ。こういうのはF1では見たことがなかったことだけど、『必要なら実現させるよ』と言ってくれたんだ。それはすごいことだよ」
オコンはハースが力強い体制を構築することに尽力しているが、長期的な予測については慎重である。
「F1では何が起きるか分からない」
そうオコンは語った。
「もちろん、現時点では良い感触がある。僕らは長期的な計画を立てているんだ。でも、F1では何が起きるか分からない。僕らはチームとうまく連携し、全てが順調に進む限り関係を継続していくつもりだ。うまくいかない理由はないよ」