F1は3月14日から2025年開幕戦オーストラリアGPが行なわれる。昨年のドライバーズチャンピオンであるレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ここで勝利は争えないと考えているようだ。
フェルスタッペンがそう考えているのは、マクラーレンが強力なパフォーマンスを示しているためだ。
2024年にコンストラクターズチャンピオンとなったマクラーレンは、先日行なわれたプレシーズンテストで、良好なロングランペースを記録。今季もマクラーレンが強いとライバルは見積もっている。
一方でレッドブルはテストでリアム・ローソンが担当中にマシントラブルが発生。レースシミュレーションも実施しておらず、新マシンRB21の挙動が依然として懸念材料と見られている。
フェルスタッペンはこうした状況の中あまり楽観的な姿勢は見せてこなかったが、3月7日に行なわれたViaplayイベントで取材に応えると、大きな不安を抱えていることを明らかにした。
「(開幕戦の)メルボルンで、僕らが優勝争いができるとは思っていない」と、フェルスタッペンは言う。
「RB21の全てにおいて、メルボルンではバーレーン(テスト)よりも少しは上手くセットアップできるだろうけどね」
そして同時に、2025年のタイトル争いはマクラーレンがリードするだろうとフェルスタッペンは考えを示した。
今季タイトルを争えるチームは何チームか? と訊かれたフェルスタッペンは次のように答えた。
「現時点では1チームだけで、そのチームはオレンジ色だ!」
「もちろん、とても素敵な色だ。でも僕ら側としては、まだまだやるべきことがある。他のチームも改善しなくてはと思っているだろうし、今のところは1チームが明らかにリードしている」
「ラップタイムを見れば、マクラーレンが優勝候補だと思う。僕たちは全てがスムーズに進んでいるわけではないけれど、その一方で改善方法についてはいくつかアイデアがある」
バーレーンでのテスト後、レッドブルのテクニカルディレクターを務めるピエール・ワシェは「期待していたほどスムーズなテストではなかった」と明らかにし、「時にマシンが思うような反応を示さなかったこともあり、満足はしていない」と評価していた。
昨年のレッドブルのマシンRB20はマシンバランスに苦しみ、ドライバーにとって扱いの難しいマシンとなってしまっていたことは、よく知られている。
チームはRB21でこの問題の解決に取り組んできたが、完全には解決できてない。テスト中から報じられていた通り、RB21はバーレーンの低速コーナーではアンダーステア気味になり、高速コーナーではオーバーステアになる傾向があった。
「バランス面だと、コーナー進入と中盤ではより(マシンとの)繋がりが増したように感じている」
フェルスタッペンはそう語る。
「でもその一方で、縁石やバンプではまだ問題が残っている」
「そういうのは明らかに僕らの強みじゃないし、僕はその点については(チームに)言い続けている。外に向けて言う必要はないけど、ミーティングでそのことについて話しているのは言うまでもない」
なおフェルスタッペンは新車RB21について「昨年より悪くなることはない」としているが、開幕後の評価がどうなるかが気になる所だろう。