フェラーリは3月6日(木)、イタリア・ミラノのカステッロ広場で祝賀イベントを開催。シャルル・ルクレールと、2025年シーズンからチームに加入した7度のF1世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンも参加した。
チームスポンサーでもあるUniCreditが支援するこのデモランイベントで、ハミルトンは2021年マシンSF-21のステアリングを握り、封鎖された公道を疾走。タイヤスモークを巻き上げながら駆け抜けるフェラーリの“新人”に、詰めかけた3万5000人ものティフォシが熱い視線を送った。
一方でルクレールは、2019年にグランプリ初優勝を含むベルギーGPとイタリアGPを共に制したSF90を走らせた。
「セバスチャン(ベッテル)やフェルナンド(アロンソ)、シャルルやカルロス(サインツJr.)越しにティフォシを見てきた」とハミルトンはロイター通信にそう語った。
「少しずつティフォシを見る機会が増え、彼らを少しずつ知ることができるようになった。彼らとイタリア語でコミュニケーションできるようになりたい。頑張らないといけないね」
メルセデスからフェラーリに移籍したハミルトンは、チームと共に2025年シーズンをスタートさせることにワクワクしており、チームに溶け込むため、懸命に努力している。
2024年末にAutoRacerのインタビューに応じたF1のステファノ・ドメニカリCEOは、ハミルトンがフェラーリに溶け込むためイタリア語を学んでいることを認めていた。
「彼は大きな関心をもたらすだろう」
かつてフェラーリのチーム代表も務めたドメニカリCEOは語った。
「彼はイタリア語を学び、我々の文化に溶け込む方法を理解している」

「私は彼に、これができるようになることも不可欠だと伝えた。フェラーリで彼は以前と異なる環境にいると理解することになる」
またハミルトンは、ティフォシが悲願のタイトル獲得を「望んでいる」ことは分かっていると付け加えた。
「フェラーリのためにドライブすることは非常に名誉だが、彼らは既に信じられないほどのレガシーがある。彼らは既に多くのタイトルを持っているから、もうひとつタイトルが必要というわけではない」とハミルトンは言う。
「しかし、それが彼らの存在意義であり、目指していることであり、ティフォシがそれを切望していることも知っている。それがどれだけ特別なことなのかを表現する言葉が見つからないだろう」
「でも僕らが目指しているのはそこだ」
ハミルトンとの仕事は、ルクレールにとってはこれまでと全く異なる経験になる。
「ルイスがチームに加わった状況は明らかに異なる。僕が加入したときはF1での経験が1年しかなくて、まだ新しいことばかりだった」とルクレールは言う。
「ファクトリーは知っていたし、フェラーリドライバーアカデミーに所属してあれこれやっていたけど、僕はフェラーリのようなチームで、F1がどのように動いているのかを学ぶ必要があった」
「ルイスにとってイタリアンチームは新しいことだけど、彼は多くのことを成し遂げてきたし、このスポーツのレジェントとしてここへやってきたというのは明らかだ」

「だから、彼が他チームでどのような成功を収めてきたのか、彼らがどんなやり方で仕事をしてきたかを知るのはとてもクールなことだ」
「その点で僕らは多くのことを学んだ。それに、彼がとても幸せそうで、ワクワクしているのを見るのは本当にエキサイティングだったよ」
「僕としては、オフシーズンは少し影が薄かったけど、楽しめたよ」
「自分自身に集中した。初戦に向けて最大限の準備をしようと頑張っている。昨年よりもポジティブな形でスタートできることを期待しているし、今年を本当に楽しみにしている」
2025年シーズン開幕戦オーストラリアGPは3月14日(金)、現地時間12時30分のフリー走行1回目からスタートする。