感謝の思いを持って決勝のピッチに立っていた。DF吉村瑠晟(関西大3年=神戸弘陵高/磐田内定)はグループステージ第2節の関東選抜B戦で、後半13分にエリア内で相手を倒してしまい、レッドカードを貰ってしまう。
当然グループステージの第3節は出場停止。それでも関西選抜は3連勝で決勝へと勝ち上がっていた。「予選はみんなに任せて、自分は順位決定戦で結果を残そうと思った。0-2で負けてしまって、チームには申し訳ない」。準優勝に悔しさを噛み締めた。
それでもチーム唯一のプロ内定選手として臨んだ今大会だが、その名に恥じないプレーはみせていた。関東B戦では前半6分に鋭い縦の突破からピンポイントクロスを上げて、FW松井匠(阪南大3年=高知高)の先制点でアシストも記録した。
昨年はメンバー入りしながらも選抜活動中の怪我により出場を辞退。デンチャレは初出場になっていた。「全国の選抜と戦えるのはなかなかない機会ですし、自分が今どの立ち位置にいるのか確認できた」。手ごたえをつかむ大会になったはずだ。
吉村は昨年4月に卒業後のジュビロ磐田入団内定を発表。今季は内定選手として臨む2年目になる。ただ昨年も特別指定選手として登録されたが、試合出場は夏に行ったスタッド・ランスとの親善試合のみだった。「今年は大学最後の年。ジュビロでも必要な選手になって、ジュビロでも活動したい」。“Jデビュー”への思いも強くする。
とにかく「与えられた場所で自分のプレーを出すだけ」と強調する。「どっちにいるからこうするとかは考えずに、自分のベクトルを向けて、上に上にとやっていくだけかなと。関大も去年一昨年とリーグ最少失点で来ているので、今年も粘り強く戦っていきたい」と意気込んだ。