トラブルにより、F1プレシーズンテストで予定していたプログラムを完了することができなかったフェラーリ。ドライバーふたりは、テストに対して少し違った感想を持っているようだ。
バーレーンでのテスト最後のセッションである3日目午後、セッション終了1時間前にフェラーリは一足早く走行を終了することになった。
テスト2日目にシャルル・ルクレールが行なったように、ルイス・ハミルトンはテスト最終日にレースシミュレーションを行なう予定だったものの、フェラーリは「テレメトリーで疑わしいパラメーターが見られたため、予防的に走行を終えた」と発表した。パドックでは、ギヤボックスの油圧経路にトラブルがあったのではないかと噂されている。
しかしテスト初日には、フェラーリにとってポジティブな兆候もあった。午前のセッションでルクレールは66周走行。C3コンパウンドでセッション最速となった。より柔らかいC4タイヤも使用したが、タイムは伸びなかった。
また、今回のテストではバーレーンでは珍しく雨が降るコンディションであり、ルクレールはその影響をかなり受けたと考えている。
「こんなコンディションでこのコースを走ったことはないと思うから、フィーリングを確認するのは少し難しい」
そうルクレールは語った。
「寒さ、雨、風、そして非常に低い路面温度。これまでのシーズンと比較するのは難しい。予想していたようなタイムは出たけど、昨日(テスト2日目)の午後も今日もバランスに少し難があった」
ルクレールは詳細には触れなかったものの、フェラーリの2025年マシンSF-25のセットアップはまだ理想的な状態ではなく、ドライバビリティをある程度損なっているという印象を持っているようだ。
一方、ハミルトンはレースシミュレーションを実施できず、47周で最後のセッションを終えたものの、バーレーンに到着した時の高い期待感は失われていないようだ。
「全体としては素晴らしい数日間だったし、チームとして大きな進歩を遂げることができた。最終日は予定より少し早く周回を止めなければならなかったし、今週はずっと天候に悩まされたけど、テストはそういうこともある」とハミルトンは言う。
「シーズンが始まる前に取り組むべき多くの情報を集めることができた。チーム全体が信じられないような仕事をしてくれたし、メルボルンでの初戦を迎えるのがとても楽しみだ」
そしてルクレールは、未知数な部分があるのは他のチームも同じだと付け加えた。
「どのチームも、ここ数年よりも未知の部分が多い状態で初戦を迎えることになると思う」とルクレールは言う。
「これからマラネロに戻り、シミュレータで時間をかけて、メルボルンで違いを生むかもしれない最後の細かい部分に取り組むだけでなく、コースのインジケータとシミュレータのインジケータを関連づけていく」
各チームにとって、開幕戦の舞台であるオーストラリアに出発するまでの数日間の猶予は、非常に重要なものになるだろう。
フェラーリはバーレーンでのテストではいい感触の確認もできたが、同時に疑問符も浮かんでいる。激戦が予想される今シーズン。開幕戦から最大限の競争力が求められるが、今季のフェラーリは上昇気流に乗れるだろうか。